Microsoft® Jet Version 3.5 データベース エンジン ドライバをインストールすると、セットアップ プログラムは Microsoft Windows® レジストリの Engines サブキーと ISAM Formats サブキーに一連の既定値を書き込みます。これらの設定は、レジストリ エディタを使って追加、削除、または変更を行ってください。Microsoft Jet データベース エンジン ドライバの初期設定と ISAM Format の設定に関する説明を、次に示します。
Jet\4.0\Engines\Jet 3.x キーには、Microsoft Access 97 ワークシートへのアクセスに使われる Msrd3x40.dll ドライバの初期設定があります。通常、このキーのエントリの初期設定は次のようになっています。
win32=<path>
\Msrd3x40.dll
FlushTransactionTimeout=500
LockDelay=100
LockRetry=20
MaxBufferSize=0
MaxLocksPerFile=9500
PageTimeout=5000
Threads=3
UserCommitSync=Yes
ImplicitCommitSync=No
ExclusiveAsyncDelay=2000
SharedAsyncDelay=0
RecycleLVs=0
SortMemorySource=0
Microsoft Jet データベース エンジンは、次のエントリを使用します。
エントリ | 説明 |
---|---|
win32 | データベース エンジン ドライバ (.dll) の格納場所です。このパスはインストール時に決まります。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では文字列型 (String)、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_SZ 型です。 |
PageTimeout | 読み取りロックされていないデータが内部キャッシュに置かれてから無効になるまでの時間をミリ秒単位で設定します。既定値は 5,000 (5 秒) です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では DWORD 型、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_DWORD 型です。 |
FlushTransactionTimeout | このエントリは、ExclusiveAsyncDelay および SharedAsyncDelay の両方のレジストリ エントリを使用不能にします。これらのエントリを使用可能にするには、値 0 をこのエントリに入力します。FlushTransactionTimeout は、Microsoft Jet データベース エンジンによるデータベース ファイルへの非同期書き込みの方法を変更します。以前のバージョンの Microsoft Jet データベース エンジンでは、ExclusiveAsyncDelay または SharedAsyncDelay のどちらかのエントリを使って強制非同期書き込みを行うまでの待機時間を決めていました。しかし、FlushTransactionTimeout の設定では、指定した時間が経過し、キャッシュにページがまったく追加されなかった場合にのみ、非同期書き込みを開始するようになりました。ただし、キャッシュのサイズが MaxBufferSize を超えた場合には、時間の経過にかかわらず、その時点で例外的に非同期書き込みを開始します。したがって、Microsoft Jet データベース エンジン 3.5 で、動作していない状態が 500 ミリ秒経過するまで、またはキャッシュ サイズが超過するまで待機し、その後に非同期書き込みを開始します。 |
LockDelay | この設定は LockRetry 設定と連動し、各 LockRetry ごとに 100 ミリ秒待機してから、別のロック要求を発行します。この LockDelay 設定は、ネットワーキング オペレーティング システムで発生することのあるバースト現象を防ぐために追加されたものです。 |
MaxLocksPerFile | この設定は、Microsoft Jet データベース エンジンのトランザクション回数が指定値を超えないようにするためのものです。トランザクションのロックがこの値を超えようとした場合、そのトランザクションは 2 つ以上に分割され、一部はコミットされます。この設定は、指定した Netware ロック リミットが超過した場合に Netware 3.1 サーバーがクラッシュしないように、また、Netware と Microsoft Windows NT の両方の性能を向上させるために、追加されたものです。 |
LockRetry | ロック競合メッセージを返す前に、ロックされたページへのアクセスの試行を繰り返す回数です。既定値は 20 です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では DWORD 型、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_DWORD 型です。 |
RecycleLVs キー | この設定を使用可能にすると、Microsoft Jet データベース エンジンは長整数値 (LV) のページ (メモ型 (Memo)、ロング バイナリ型 (Long Binary) - OLE オブジェクト型 (OLE Object)、およびバイナリ型 (Binary) を再利用するようになります。Microsoft Jet データベース エンジン 3.0 では、最後のユーザーがデータベースを閉じるまでこれらのページは再利用されませんでした。RecyleLVs 設定を使用可能にした場合、Microsoft Jet データベース エンジン Version 3.5 は、データベースが拡張された場合、つまり、ページのグループが追加された場合に、ほとんどの LV ページの再利用を開始します。
メモ この機能を使用可能にすると、長整数型 (Long) のデータ型を操作する場合に処理能力が低下することがユーザーに通知されます。Microsoft Access 97 ではモジュールやフォーム、レポートを操作する場合に自動的にこの機能の使用可能と使用不能の設定が変わります。そのため、それらのオブジェクトを修正する場合にこの機能をオンにする必要はありません。既定値は 0 です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では DWORD 型、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_DWORD 型です。 |
MaxBufferSize | データベース エンジンの内部キャッシュのサイズを KB 単位で設定します。MaxBufferSize には、512 以上の整数値を設定します。既定値は次の式に基づいて決まります。
たとえば、32MB の RAM を搭載したシステムでは、既定値のバッファ サイズは ((32MB - 12MB) / 4) + 512KB = 5,632KB になります。値を既定値に戻すには、次のようにレジストリ キーを設定します。
値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では DWORD 型、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_DWORD 型です。 |
Threads | Microsoft Jet データベース エンジンが使用できるバックグラウンド スレッドの数です。既定値は 3 です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では DWORD 型、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_DWORD 型です。 |
UserCommitSync | コミットが完了するまでシステムが待機するかどうかを指定します。値 Yes は、システムが待機するように指定します。値 No は、システムが非同期にコミットを実行するように指定します。既定値は Yes です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では文字列型 (String)、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_SZ 型です。 |
ImplicitCommitSync | コミットが完了するまでシステムが待機するかどうかを指定します。値 No は、システムがコミットの完了を待たずに処理を進めるように指定します。値 Yes は、コミットが完了するまでシステムが待機するように指定します。既定値は No です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では文字列型 (String)、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_SZ 型です。 |
ExclusiveAsyncDelay | 排他データベースの非同期フラッシュの遅延時間をミリ秒単位で指定します。既定値は 2,000 (2 秒) です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では DWORD 型、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_DWORD 型です。 |
SharedAsyncDelay | 共有データベースの非同期フラッシュの遅延時間をミリ秒単位で指定します。既定値は 0 です。値の型は、Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 では DWORD 型、Microsoft Windows NT 3.51 では REG_DWORD 型です。 |
SortMemorySource | ソート キーに使用されるメモリを、Microsoft Jet が得る方法を示します。値 0 は、メモリはヒープから取得されることを示します。値 1 は、malloc 関数呼び出しを使いグローバル メモリからメモリが取得されることを示します。 |
Jet\4.0\ISAM Formats\Jet 3.x キーには次のエントリがあります。
エントリ名 |
Microsoft Windows NT 3.51 でのデータ型 |
Microsoft Windows 95 および Microsoft Windows NT 4.0 でのデータ型 |
値 |
---|---|---|---|
Engine | REG_SZ 型 | 文字列型 (String) | Jet 3.x |
OneTablePerFile | REG_BINARY 型 | バイナリ型 (Binary) | 00 |
IndexDialog | REG_BINARY 型 | バイナリ型 (Binary) | 00 |
CreateDBOnExport | REG_BINARY 型 | バイナリ型 (Binary) | 00 |
IsamType | REG_DWORD 型 | DWORD 型 | 0 |
メモ Windows レジストリの設定を変更した場合は、新しい設定内容を有効にするために必ずデータベース エンジンをいったん終了してから再起動してください。
Microsoft Jet のための Windows レジストリ設定のカスタマイズ